【初心者でも分かる!】Wi-Fiルーター選び方とおすすめモデルを徹底解説!

こんにちは!いつもお世話になっております。今回は、インターネットの必須アイテムである「Wi-Fiルーター」について、初心者でもわかりやすく解説し、おすすめモデルをいくつかご紹介したいと思います。

Wi-Fiルーターは、私たちがインターネットを無線で使うために欠かせない機器です。ですが、実際にどのWi-Fiルーターを選べばいいのか、迷っている方も多いのではないでしょうか?

「通信が遅くてストレス」「電波が届かない」「安定しない」など、Wi-Fiの不具合で困った経験がある方もいらっしゃると思います。今回は、そんな悩みを解消するために、どのWi-Fiルーターがあなたに最適なのかを一緒に見ていきましょう。

1. Wi-Fiルーターの基本を理解しよう

Wi-Fiルーターは、家庭やオフィスなどでインターネットに無線で接続するための必須アイテムです。Wi-Fiルーターを上手に選ぶためには、まずその基本的な仕組みと役割を理解することが大切です。以下では、Wi-Fiルーターの基本的な働きや、Wi-Fiの規格について詳しく説明していきます。


1.1 Wi-Fiとは?

Wi-Fi(ワイファイ)とは、Wireless Fidelityの略で、無線通信技術の一つです。一般的には、インターネット回線を無線で利用するための技術として広く認知されています。Wi-Fiは、無線LAN(Local Area Network)とも呼ばれ、無線でインターネットを接続するための標準的な規格となっています。

Wi-Fiは、物理的なケーブル(有線接続)を使わずに、データを無線で送受信するため、家中どこでもインターネットに接続できる便利な技術です。Wi-Fiルーターは、その通信を管理する機器で、インターネット回線からのデータを無線信号に変換し、家庭内のデバイスに送信する役割を担います。


1.2 Wi-Fiルーターの主な役割

Wi-Fiルーターは、インターネット回線(光回線、ADSL、ケーブルインターネットなど)を無線で接続するための「橋渡し」の役目をします。Wi-Fiルーターには、以下の主な役割があります。

  1. インターネット回線の共有
    Wi-Fiルーターは、インターネット回線を複数のデバイス(スマートフォン、PC、タブレット、テレビ、ゲーム機など)で同時に利用できるように分配します。
  2. 無線信号の送受信
    インターネットから受信したデータを無線信号に変換し、家中のWi-Fi対応機器に送信します。逆に、Wi-Fi機器から送信されたデータを受け取って、インターネット回線に戻します。
  3. 接続先の管理
    ルーターは、各デバイスが接続する際に、どのデバイスにどの通信速度を割り当てるかを管理します。ルーターによっては、接続優先順位を設定できる機能(QoS)も搭載されていることがあります。
  4. セキュリティ
    Wi-Fiルーターには、インターネット接続のセキュリティを守るための暗号化技術(WPA2、WPA3など)が組み込まれています。これにより、不正アクセスから家庭内ネットワークを守ります。

1.3 Wi-Fiの規格(Wi-Fi 5, Wi-Fi 6, Wi-Fi 6E, Wi-Fi 7)

Wi-Fiルーターを選ぶ際に重要なのは、Wi-Fiの規格です。Wi-Fi規格は時間とともに進化しており、各規格によって通信速度や安定性、接続の効率性が異なります。主なWi-Fi規格について解説します。

Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)
  • 特徴:Wi-Fi 5は、従来のWi-Fi 4(802.11n)に比べて通信速度が大幅に向上しました。最大通信速度は理論上、最大3.5Gbpsに達することができます。2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯を使用でき、干渉を受けにくくなっています。
  • 使用場面:一般的な家庭やオフィスで、1~3台のデバイスを接続する場合には十分なパフォーマンスを発揮します。安価なモデルでも、家庭用としては非常に快適に使えるでしょう。
Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)
  • 特徴:Wi-Fi 6は、さらに高速化されたWi-Fi規格で、最大通信速度は理論上、最大9.6Gbpsに達します。Wi-Fi 5に比べ、同時接続できるデバイス数や、電波の安定性が大幅に向上しています。特に、複数のデバイスを同時に使う家庭やオフィスに最適です。
  • 新技術
    • OFDMA(直交周波数分割多元接続):複数のデバイスが同時に通信を行う際に、帯域を効率よく分け合い、通信の効率を向上させます。
    • MU-MIMO(マルチユーザー・マルチインプット・マルチアウトプット):複数のデバイスに同時にデータを送信できる技術です。
    • TWT(ターゲットウェイクタイム):Wi-Fiデバイスのバッテリー寿命を延ばすために、通信時間を効率的に調整します。
  • 使用場面:家庭で複数のデバイス(スマートフォン、PC、ゲーム機、スマートテレビなど)を同時に使う場合や、動画視聴やオンラインゲームを高品質で楽しみたい方に最適です。
Wi-Fi 6E
  • 特徴:Wi-Fi 6Eは、Wi-Fi 6の進化版で、さらに6GHz帯を使用可能にしています。これにより、さらに広い帯域幅が確保され、干渉が少なく、より安定した通信が可能になります。Wi-Fi 6のすべての機能に加えて、6GHz帯による高速化が実現されています。
  • 使用場面:特に、多くのデバイスを接続する家庭や、大容量のデータ転送を行う環境(例えば、4K・8Kの動画配信、VR、ARなど)に適しています。
Wi-Fi 7(次世代規格)
  • 特徴:Wi-Fi 7は、まだ普及が始まったばかりですが、さらに高速化され、最大通信速度は理論上、46Gbpsに達することが可能です。6GHz帯の活用がさらに進み、OFDMAやMU-MIMOの進化版が搭載されており、より効率的な通信が可能です。
  • 使用場面:データ通信が非常に高速で安定している必要がある環境で活用されることが期待されていますが、現時点では対応機器やサービスが限られており、家庭で利用するには少し先の話かもしれません。

1.4 どのWi-Fi規格を選べばいいか?

どのWi-Fi規格を選ぶかは、主に以下の要因に基づいて決めるとよいでしょう:

  • インターネットの利用目的:オンラインゲーム、4K動画のストリーミング、テレワークなどの用途が多い場合は、Wi-Fi 6またはWi-Fi 6Eのルーターを選ぶとよいでしょう。
  • デバイスの数と接続頻度:家にWi-Fi接続する機器が多く、同時に利用する場合は、Wi-Fi 6Wi-Fi 6E対応のルーターが安定した通信を提供します。
  • 予算:安価に済ませたい場合、Wi-Fi 5対応ルーターも十分に機能しますが、将来的な利用を考えるとWi-Fi 6にアップグレードすることをおすすめします。

このように、Wi-Fiルーター選びにおいては規格が重要な要素となります。次に進む前に、自分の利用環境と目的に合ったWi-Fi規格を理解し、それに基づいて最適なルーターを選ぶことが重要です。

2. Wi-Fiルーターの選び方 〜使用場所の広さ〜

Wi-Fiルーターを選ぶ際に重要なポイントの一つが「使用場所の広さ」です。家庭やオフィスなど、Wi-Fiルーターの設置場所によって、電波の届きやすさや通信速度に大きな影響があります。このセクションでは、使用する場所や間取りに合わせたWi-Fiルーター選びのコツを詳しく説明します。


2.1 使用場所の広さに合わせたWi-Fiルーターの選び方

Wi-Fiルーターの選び方で最も大切なのは、設置場所の広さに合った適切なルーターを選ぶことです。以下の要素を考慮して選びましょう。

1. 家の広さと間取り

家の広さや間取りによって、必要なWi-Fiルーターの通信範囲や電波強度が決まります。一般的に、Wi-Fiルーターの信号は、家の中で使用する場合、広さ(平方メートル)や部屋数が重要です。

  • 小規模なアパートや1LDK:1部屋や2部屋程度の比較的小さな部屋の場合は、標準的なWi-Fiルーター(Wi-Fi 5やWi-Fi 6対応)で十分です。特に、通信範囲が狭いため、通信速度や安定性に特別な問題が発生しにくいです。
  • 2LDK〜3LDKのマンション:中規模なマンションやアパートの場合は、より高性能なWi-Fiルーター(Wi-Fi 6やWi-Fi 6E対応)を選ぶとよいでしょう。これらのルーターは、電波を広範囲に飛ばすための機能が強化されており、複数のデバイスが同時に接続しても安定した通信が可能です。
  • 一軒家や広いオフィス:広い住宅やオフィスでは、単体のWi-Fiルーターでは電波が届かない部分が出てくる可能性が高くなります。この場合、メッシュWi-Fiや中継機を使って、電波を効率的に家全体に広げる必要があります。
2.2 障害物の影響を考慮する

Wi-Fiルーターの電波は、物理的な障害物(壁、柱、水槽、金属製の家具など)によって大きく影響を受けます。特に、鉄筋コンクリートの壁や金属製の家具、土壁などは、電波をほとんど通さないため、設置場所の選定が非常に重要です。

  • 鉄筋コンクリートや金属製の壁:Wi-Fi信号が通過しにくいので、Wi-Fiルーターをこれらの障害物の近くに置かないようにしましょう。なるべく、開けた場所に設置することをおすすめします。
  • 木製や石膏ボードの壁:これらはWi-Fi信号が通りやすいため、多少の影響はありますが、鉄筋や土壁に比べれば通信が安定しています。
  • 水槽や電子機器の近く:水槽や電子レンジなどは電波に干渉するため、Wi-Fiルーターから遠ざけることが重要です。特に電子レンジは、2.4GHz帯域を使用しているため、Wi-Fiの干渉源となります。
2.3 Wi-Fiルーターの配置の工夫

Wi-Fiルーターを設置する場所には、いくつかの工夫が必要です。正しい場所に設置することで、電波の強さを最大限に活かすことができます。

  • 家の中心に設置する:Wi-Fiルーターは、家の中心に設置するのが理想的です。中央に配置することで、家全体に均等に電波を送ることができ、隅々まで強い信号を届けることができます。
  • 高さを上げる:Wi-Fiルーターを床に直接置かないようにしましょう。床に置くと、電波が床に吸収されてしまうため、通信範囲が狭くなります。なるべく、ルーターを棚の上やテーブルの上に置くことをおすすめします。高さを上げることで、電波が壁を越えやすくなります。
  • 障害物を避ける:前述のように、鉄筋コンクリートや水槽などが近くにあると電波が弱くなります。そのため、できるだけこれらの障害物を避けた場所にWi-Fiルーターを置くことが大切です。

2.4 メッシュWi-Fiの活用

広い家や、複数階建ての住宅では、単体のWi-Fiルーターでは電波が届きにくい場所が出てくることがあります。そこで有効なのが「メッシュWi-Fi」です。

メッシュWi-Fiとは?

メッシュWi-Fiは、複数のWi-Fiルーター(アクセスポイント)を組み合わせて、家全体に均等に電波を行き渡らせるシステムです。これにより、電波が届きにくい場所でも、安定したインターネット接続が可能になります。

  • メッシュWi-Fiのメリット
    1. 広範囲に電波を届ける:家中どこにいても安定したWi-Fi接続が可能です。
    2. 自動切り替え:Wi-Fiルーター間で接続が自動的に切り替わるため、常に最適な電波を選んで接続します。
    3. 簡単に拡張可能:最初に1つのルーターを設置し、その後、必要に応じてアクセスポイント(追加のノード)を増やしていくことができます。
  • メッシュWi-Fiが必要な場合
    • 広い家や複数階建ての住宅では、メッシュWi-Fiを導入することで、Wi-Fiの電波が届かない部屋や階を解消できます。
    • 大型オフィスや店舗でも、広い範囲に安定した通信環境を提供できるため、ビジネス利用にも最適です。

2.5 Wi-Fiルーターの性能をチェックする

Wi-Fiルーターの性能(通信速度や安定性)は、家の広さや間取りだけでなく、使用する機器の種類や用途にも影響を与えます。以下の点に注意して選ぶとよいでしょう。

Wi-Fiルーターの選び方において、使用場所の広さは非常に重要です。家の広さや間取り、設置場所の条件に合わせて、適切なWi-Fiルーターを選びましょう。広い家や障害物が多い場合は、メッシュWi-Fiを活用するのが効果的です。また、Wi-Fiルーターを家の中心に設置し、なるべく障害物を避けることを心がけてください。これにより、家庭内で快適にインターネットを利用することができます。

3. Wi-Fiルーターの選び方 〜接続台数〜

現代の家庭やオフィスでは、Wi-Fiを利用するデバイスが増え続けています。スマートフォンやノートパソコンはもちろん、ゲーム機やスマートテレビ、IoTデバイス(家電製品など)がネットに接続される時代です。そのため、接続台数を考慮したWi-Fiルーター選びは非常に重要です。

このセクションでは、接続台数に関する要点を説明し、どのように適切なWi-Fiルーターを選ぶかについて詳しく見ていきます。


3.1 Wi-Fiルーターの接続台数とは?

接続台数とは、Wi-Fiルーターが同時にサポートできるデバイスの数です。家庭では、通常、スマートフォンやパソコン、ゲーム機、テレビ、さらにはスマート家電(冷蔵庫、エアコン、掃除機、照明など)もインターネットに接続されることがあります。そのため、接続する台数が多いほど、Wi-Fiルーターの性能や安定性が重要になります。


3.2 接続台数を選ぶ基準

  1. 家庭内の接続台数を把握する

Wi-Fiルーターを選ぶ前に、家の中で接続するデバイスの数をある程度把握することが重要です。特に、次のようなデバイスが増えている家庭では、接続台数をしっかり考慮しましょう。

  • スマートフォンやタブレット:各家族メンバーが個別に使うことが多いので、複数のスマートフォンやタブレットが同時にWi-Fi接続されることがあります。
  • ノートパソコンやデスクトップPC:仕事や勉強、エンターテイメントで使用されるPCやノートパソコンもWi-Fi接続されるデバイスです。
  • ゲーム機:特にオンラインゲームを楽しむ家庭では、ゲーム機(PlayStation、Xbox、Nintendo Switchなど)がネット接続されることが多いです。
  • スマートテレビやストリーミング機器:NetflixやYouTubeを利用するために、テレビやストリーミングデバイス(Amazon Fire Stick、Chromecastなど)が接続されます。
  • IoTデバイス(インターネットに接続する家電製品):最近では、エアコン、冷蔵庫、照明、掃除機などがWi-Fiに接続されるようになっています。

これらのデバイスが同時にインターネットに接続されるため、接続台数の多いWi-Fiルーターを選ぶことが、快適なネット環境を維持するために重要です。

  1. 接続台数に余裕を持つ

Wi-Fiルーターには、サポートできる接続台数が製品ごとに異なりますが、一般的に家庭用Wi-Fiルーターは10〜20台程度の接続をサポートできるものが多いです。しかし、次の点を考慮し、「余裕を持った接続台数」を選ぶことをおすすめします。

  • 将来的な接続機器の増加:現在は少なくても、将来的に接続する機器が増えることを考慮し、少し余裕を持ったモデルを選ぶと良いです。たとえば、家電のWi-Fi接続が増える可能性もありますし、新しいスマートデバイスを導入する予定があれば、その分の余裕を持っておくことが大切です。
  • 同時接続の負担:家庭内で同時に大量のデバイスを接続する場合、ネットワークが混雑し、通信速度が低下したり接続が不安定になったりすることがあります。これを防ぐためにも、少し高性能で接続台数に余裕があるWi-Fiルーターを選んでおくと、今後のトラブルを避けられます。

3.3 接続台数が多いWi-Fiルーターの特徴

接続台数が多いWi-Fiルーターにはいくつかの特徴があります。これらの特徴を理解することで、どの製品が自分のニーズに合っているかを判断できます。

  1. 高性能なアンテナと周波数帯

Wi-Fiルーターの「アンテナの数」や「周波数帯域」は、同時接続するデバイス数に大きく影響します。例えば、Wi-Fi 6Wi-Fi 6E対応のルーターは、より多くのデバイスが接続されても安定した通信ができるように設計されています。特に、次のような特徴があります。

  • 複数の周波数帯域:Wi-Fi 6やWi-Fi 6E対応ルーターは、2.4GHz、5GHz、さらにWi-Fi 6Eでは新たに6GHz帯域も利用可能です。これにより、デバイス間で周波数帯域を分けて使用できるため、混雑を避け、安定した接続を保つことができます。
  • MU-MIMO(Multi-User, Multiple Input, Multiple Output)技術:この技術により、Wi-Fiルーターは複数のデバイスに同時にデータを送信できるため、多数のデバイスが接続されても、通信速度の低下を防げます。
  • OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)技術:Wi-Fi 6以降に採用されたこの技術は、複数のデバイスと同時に通信を行う際、効率よく電波を割り振ることができるため、同時接続デバイスが多い環境でもストレスなく通信ができます。
  1. 強化された処理能力

Wi-Fiルーターには、デバイスを接続するための「プロセッサー(CPU)」や「メモリ」が搭載されています。これらが強力であればあるほど、複数のデバイスをスムーズに処理できるようになります。

  • デュアルコア、クアッドコアのプロセッサー:高性能なルーターは、処理能力が高いため、同時接続デバイスが多くても安定した速度を維持できます。
  • 広い帯域幅:Wi-Fiルーターの帯域幅が広いほど、一度に送信できるデータ量が増え、接続デバイスが増えても通信速度が低下しにくくなります。

3.4 メッシュWi-Fiの利用

接続台数が非常に多い場合や、家の広さに合わせた配置を行いたい場合は、メッシュWi-Fiの導入を検討するのも一つの方法です。メッシュWi-Fiは、複数のアクセスポイントを使って、広範囲に安定したWi-Fi環境を提供します。これにより、家全体での接続台数が増えても、通信が途切れにくく、安定したインターネット接続を維持できます。

  • メリット
    • 家の隅々まで電波を届けられる
    • 複数の端末をスムーズに接続できる
    • 通信の遅延や途切れが少ない

接続台数は、Wi-Fiルーター選びで非常に重要な要素です。家の中で接続するデバイス数が増えると、Wi-Fiルーターに対する要求が高くなります。そのため、接続台数に余裕を持ったルーターを選ぶことが、快適なネット環境を維持するためのポイントです。また、Wi-Fi 6Wi-Fi 6E対応ルーター、メッシュWi-Fiなど、接続台数をサポートできる最新技術を搭載した製品を選ぶと、将来的に増えるデバイスにも対応できるため安心です。

4. Wi-Fiルーターの選び方 〜通信速度〜

Wi-Fiルーターの選定において、「通信速度」は最も重要な要素の一つです。Wi-Fiルーターの通信速度が速ければ、インターネットの使用感が格段に向上します。動画のストリーミングやオンラインゲーム、ビジネスでの大容量データのやり取り、さらに大人数での同時利用など、速い通信速度はどのシーンでも大きな効果を発揮します。

このセクションでは、通信速度に関するさまざまな要素を解説し、どのようにWi-Fiルーターを選べばいいかを見ていきます。


4.1 Wi-Fiルーターの通信速度とは?

Wi-Fiルーターの通信速度は、通常「bps(ビット/秒)」または「Mbps(メガビット/秒)」、「Gbps(ギガビット/秒)」の単位で表されます。数字が大きいほど、通信速度が速いということです。通信速度が速いと、データの転送が早くなり、インターネット利用時に遅延を感じることが少なくなります。

Wi-Fiルーターの通信速度を決定する要因は以下の通りです。

  1. Wi-Fiの規格(Wi-Fi 5、Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E)
  2. 周波数帯(2.4GHz、5GHz、6GHz)
  3. 通信技術(MU-MIMO、OFDMA、ビームフォーミングなど)

これらの要因が組み合わさることで、実際の通信速度が決まります。


4.2 Wi-Fiの規格による通信速度の違い

Wi-Fiの規格は、Wi-Fiルーターの性能に大きく影響します。通信速度が速いWi-Fiルーターは、最新のWi-Fi規格に対応しています。主要なWi-Fi規格とその特徴を見てみましょう。

  1. Wi-Fi 5(802.11ac)
    • 最大速度:最大3.5Gbps(理論値)
    • 特徴:Wi-Fi 5は5GHz帯域を主に利用し、高速な通信が可能です。ただし、2.4GHz帯域もサポートしているため、距離が遠くても接続可能です。最近では十分な性能を発揮しますが、接続台数や通信量が多い家庭やオフィスでは限界を感じることもあります。
  2. Wi-Fi 6(802.11ax)
    • 最大速度:最大9.6Gbps(理論値)
    • 特徴:Wi-Fi 6は、通信速度だけでなく、同時接続台数電波干渉の改善も強化されています。特に「OFDMA(直交周波数分割多重アクセス)」技術により、多くのデバイスが接続されている環境でも効率的に通信が可能です。また、MU-MIMO(Multi-User Multiple Input Multiple Output)技術を使用して、同時接続するデバイスの数が増えても通信速度の低下を抑えられます。
  3. Wi-Fi 6E(802.11ax)
    • 最大速度:最大9.6Gbps(理論値)
    • 特徴:Wi-Fi 6EはWi-Fi 6の上位規格で、6GHz帯も利用可能になりました。この6GHz帯域を使うことで、Wi-Fi 6よりさらに広い帯域を確保し、さらに高速で安定した通信が可能です。特に、高速なインターネット接続を活用する家庭やオフィスには最適です。
  • Wi-Fi 5:標準的な家庭用やオフィス向け。通信速度は十分で、多くのデバイスが快適に使用できます。
  • Wi-Fi 6:より多くのデバイスを同時に接続する環境や、高速な通信を求める家庭におすすめ。
  • Wi-Fi 6E:さらに高速で安定した通信を求める方、特に6GHz帯域を活用したい場合に最適。

4.3 周波数帯による通信速度の違い

Wi-Fiルーターは、複数の周波数帯を利用することができます。一般的には、2.4GHz5GHzの2つの周波数帯がよく使われますが、Wi-Fi 6Eではさらに6GHz帯域も利用できるようになり、通信速度が大幅に向上します。

  1. 2.4GHz帯
    • 最大速度:最大速度は最大300Mbps程度(Wi-Fi 5の場合)。
    • 特徴:2.4GHz帯は、壁や障害物を越えやすいため、距離が長い場所でも接続可能です。ただし、混雑しやすく、通信速度が遅くなりやすいです。また、電子レンジやコードレス電話など、同じ周波数帯を使っている機器との干渉も発生しやすいです。
  2. 5GHz帯
    • 最大速度:Wi-Fi 5で最大3.5Gbps、Wi-Fi 6でさらに高速化される(理論値)。
    • 特徴:5GHz帯は、通信速度が速く、干渉が少ないため、高速なインターネット利用に適しています。しかし、障害物に弱いため、通信距離が短くなります。近距離での使用に最適です。
  3. 6GHz帯(Wi-Fi 6E専用)
    • 最大速度:理論値で最大9.6Gbps(Wi-Fi 6E)。
    • 特徴:Wi-Fi 6Eは、これまで利用されていなかった6GHz帯域を使用することで、他の電波と干渉しにくく、さらに高速で安定した通信を実現します。この帯域を利用することで、5GHz帯の混雑を避けることができます。

4.4 高速通信技術

Wi-Fiルーターには、通信速度を向上させるための技術も搭載されています。これらの技術を理解し、必要に応じて選ぶことが重要です。

  1. MU-MIMO(Multi-User Multiple Input Multiple Output)
    • 特徴:MU-MIMO技術により、Wi-Fiルーターは複数のデバイスに同時にデータを送信できます。これにより、多くのデバイスが同時に接続されている場合でも通信速度が低下することなく、スムーズにインターネットを利用できます。
  2. OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)
    • 特徴:OFDMAは、Wi-Fi 6で導入された新しい技術で、1つのチャネルを複数のデバイスが共有して効率的に利用することができます。これにより、同時接続数が多い環境でも、通信速度が低下するのを防ぎます。
  3. ビームフォーミング(Beamforming)
    • 特徴:ビームフォーミングは、Wi-Fiルーターが接続されているデバイスに向けて電波を集中させる技術です。これにより、通信の安定性と速度が向上します。特に、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eに搭載されていることが多いです。

4.5 実際の通信速度と理論値の違い

Wi-Fiルーターのカタログに記載されている「最大通信速度」は、あくまで理論値であり、実際の速度は多くの要因によって異なります。これには以下のような要因が影響します。

  • 距離と障害物:Wi-Fiルーターからの距離や壁などの障害物がある場合、通信速度は低下します。
  • 接続デバイス数:同時に多くのデバイスが接続されていると、通信速度は分散して低下します。
  • インターネット回線の速度:Wi-Fiルーターがいくら高速でも、インターネット回線の速度が遅ければ意味がありません。

Wi-Fiルーターの「通信速度」は、インターネットを快適に利用するために非常に重要な要素です。Wi-Fiの規格や周波数帯、通信技術を考慮することで、家庭やオフィスで求める通信速度に合ったルーターを選ぶことができます。

  • Wi-Fi 5は標準的な家庭用に最適ですが、より多くのデバイスを同時に接続する場合や高速な通信を求める場合はWi-Fi 6Wi-Fi 6Eを選ぶと良いでしょう。
  • MU-MIMOOFDMA技術が搭載されたルーターを選べば、複数のデバイスが接続されている場合でも安定した通信速度を確保できます。

通信速度が速いWi-Fiルーターを選ぶことで、快適なインターネット環境を実現し、ストリーミングやオンラインゲーム、仕事での利用などすべての用途に対応できます。

5. Wi-Fiルーターの選び方 〜接続台数〜

Wi-Fiルーターを選ぶ際に、考慮すべき重要な要素の一つが「接続台数」です。家の中やオフィスで利用するデバイスの数が増えてきた今、接続台数に対応できるWi-Fiルーターを選ばないと、インターネットの速度が遅くなったり、接続が不安定になったりすることがあります。特に、スマートフォンやパソコンだけでなく、ゲーム機、スマート家電、IoT機器(エアコン、冷蔵庫、洗濯機など)が増えている現代では、接続台数に配慮することがますます重要になっています。

このセクションでは、「接続台数が多い」Wi-Fiルーターを選ぶためのポイントと、その理由について詳しく解説します。


5.1 接続台数に対するWi-Fiルーターの役割

Wi-Fiルーターは、同時に複数のデバイスを接続することができますが、その数には限界があります。接続台数が多くなると、Wi-Fiルーターの処理能力が求められ、次第に通信速度が低下したり、接続が不安定になったりすることがあります。これは、Wi-Fiルーターの「処理能力」や「通信技術」に依存します。

もしWi-Fiルーターが接続台数の制限を超えて多くのデバイスを接続してしまうと、ネットワークが混雑し、次のような問題が発生することがあります。

  • 通信速度が遅くなる:多数のデバイスが帯域を共有するため、インターネット速度が低下します。
  • 接続が切れる:過剰に接続されたデバイスがルーターの処理能力を超えると、接続が切れる場合があります。
  • 干渉が発生する:デバイス同士が干渉し合い、通信の安定性が損なわれることがあります。

したがって、デバイスが多い家庭やオフィスでは、接続台数に対応したWi-Fiルーターを選ぶことが重要です。


5.2 接続台数に影響を与える要素

接続台数に関してWi-Fiルーターを選ぶ際には、いくつかの要素が影響します。これらを理解し、必要なルーターを選ぶことが、インターネット環境の安定性を確保するために重要です。

  1. Wi-Fiルーターの「アンテナ数」
    • Wi-Fiルーターの性能を決定する一つの要素が「アンテナ数」です。アンテナの数が多ければ、それだけ多くのデバイスに安定した接続を提供できます。Wi-Fi 6対応のルーターでは、より多くのアンテナと高度な技術(MU-MIMO)を搭載しており、多数のデバイスを効率的に管理できます。
  2. 「MU-MIMO(Multi-User Multiple Input Multiple Output)」技術
    • MU-MIMO技術は、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eに搭載されている技術で、複数のデバイスに同時にデータを送信することができます。これにより、Wi-Fiルーターが同時に多くのデバイスと通信しても、遅延を最小限に抑え、スムーズな接続を維持することができます。
  3. 「OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)」技術
    • OFDMAは、Wi-Fi 6の特徴的な技術で、通信の効率を向上させるために、周波数帯域を複数のデバイスで共有できるようにします。この技術によって、特に多くのデバイスが接続されている場合でも、ネットワークの混雑を避け、効率よくデータの転送が行われます。
  4. 「ビームフォーミング」機能
    • ビームフォーミング技術は、接続されたデバイスに対して電波をピンポイントで送信する技術です。この技術により、Wi-Fiルーターが効率的に電波を伝播させることができ、特に複数のデバイスが接続されている環境でも通信速度が維持されやすくなります。

5.3 家庭やオフィスに適した接続台数

家庭で使用する場合でも、デバイスの数が増えてきており、それに合わせたWi-Fiルーターを選ぶ必要があります。例えば、以下のようなデバイスを接続する家庭では、接続台数に余裕を持ったWi-Fiルーターを選ぶべきです。

  • スマートフォンやタブレット(家族全員分)
  • パソコンやノートPC
  • ゲーム機やストリーミングデバイス(PlayStation、Xbox、Apple TV、Chromecast など)
  • IoTデバイスやスマート家電(エアコン、冷蔵庫、洗濯機、照明など)
  • スマートスピーカーやスマートプラグ

これらのデバイスが増えてきた場合、1台のWi-Fiルーターで複数のデバイスを接続し、快適に使用するためには、Wi-Fiルーターの接続台数が重要です。

例えば、家庭においてWi-Fiルーターの接続台数が50台以上となると、それに対応するために、Wi-Fi 6Wi-Fi 6E対応のルーターを選ぶことが推奨されます。これらのルーターは、MU-MIMOOFDMA技術を搭載しており、多数のデバイスが同時に接続されていても安定した通信を提供することができます。


5.4 メッシュWi-Fiと接続台数

Wi-Fiルーターを選ぶ際、特に広い範囲で安定した接続が必要な場合は、「メッシュWi-Fiシステム」を検討するのも一つの手です。メッシュWi-Fiは、複数のWi-Fiユニットを家中に設置し、それらが互いに通信してネットワークを構築する仕組みです。これにより、広範囲にわたる安定したWi-Fi接続が可能になります。

  • メッシュWi-Fiの利点
    • 家中どこにいても安定したインターネット接続が可能。
    • Wi-Fiルーターが多数のデバイスを同時に接続しても、通信速度や品質の低下を抑えることができる。
    • 中継器を使用しなくても、メッシュWi-Fiユニットが自動的に最適な接続先を選んでデバイスをサポートします。

メッシュWi-Fiシステムは、特に家庭やオフィスが広い場合、または接続するデバイスが非常に多い場合に最適です。Wi-Fiルーターが一つだけではカバーしきれないエリアでも、複数のユニットでカバーすることができ、安定した接続が維持されます。


5.5 結論:適切な接続台数を選ぶ

接続台数に関してWi-Fiルーターを選ぶ際には、以下のポイントを参考にすると良いでしょう:

  1. デバイスの数に応じて、必要な接続台数を予測する。
  2. Wi-Fi 6やWi-Fi 6E対応ルーターを選ぶことで、多くのデバイスが接続されていても通信の安定性を確保できる。
  3. 複数のデバイスが同時に接続されている場合は、MU-MIMOOFDMA技術が搭載されたルーターを選ぶ。
  4. メッシュWi-Fiを導入すれば、広範囲でも安定した通信環境を維持でき、さらに接続台数が増えても安心です。

これらの要素を考慮し、自分の使用環境に合ったWi-Fiルーターを選ぶことで、快適なインターネット体験を実現することができます。